先日のamazonでの大量購入の書籍が大量にやってきたので消化しておりますが、そんな中、会社の最寄り駅である淀屋橋に阪急電車系の書店BOOK1st.が出来たので、そこで本を買ったり。
品揃え的には会社の近くにあるくまざわ書店のほうが充実しているので、21時以降に本を買いたくなったら(といっても22時までだけど)利用する方向ですね。
その買った本の一冊が大崎 善生のパイロットフィッシュです。
単行本で上梓されたときに装丁の綺麗さに思わず手に取ったものの結局買わなかった本が角川文庫に落ち、しかも表紙は単行本と同じ。全然マークしてなかったのを本屋でみかけて結構うれしかったもんです(これがリアル書店のいいところです)。
ひとまず二日で読了。 この作家は聖の青春のように自分のグラウンドの世界だけではないということが分かり、安心。
人の存在は記憶に生き続ける。本作の根幹に流れるこの考えは冒頭の
人は、一度巡り合った人と二度と別れることはできない。
という言葉に集約されている。
出会い(と別れ)がその人を為す構成物として根付く。
これがある種シニカルな寓意をこめられた「パイロットフィッシュ」というタイトルにも通じるわけで、この辺の構成力というのは素晴らしいと感じました。
また、ふわっとしてやさしい視点・視線で主人公たちを見つめるように編まれた文章も心地よかった。
あんまりこういう系統の小説を読まないからかもしれないけどね。
ちなみに読んでいて雰囲気が似てるなぁと思ったのは本多 孝好のALONE TOGETHER でした。
ミステリィじゃないけどもし点をつけるなら、7点かなぁ。
もう少し文章の気取ったところとかが綺麗に昇華すれば面白くなると思います。