今日の未明のImpress系の先行情報を皮切りに、オフィシャルにも情報が出ましたが、前々から出るといわれていた工人舎のモバイルPCの新機種SR8xx06A/Fが発表されました。
ベースはSH8なのですが、DVDスーパーマルチドライブを搭載したことが最大の変化となっており、他にも品質がよろしくなかった恵安のワンセグチューナがピクセラ製に変わったりしているそうです。
おそらく一般向けには受けの良い機種なんだと思うのですが、ぼくは敢えてこの機種の「進化」に疑問を投げかけようと思います。
まず、一番の注目機能であるDVDドライブについて
移動中にDVDを見たい層がいることは重々分かっていますし、これまで単体でリカバリCDを作成できなかったディスアドバンテージを崩すことが出来るという点から、搭載自体について異論はありません。
が、これにより以下の様々な問題が発生していることもほぼ間違いないため、やはり搭載するべきではなかった、もしくは外付け標準という逃げ道を探るべきではなかったのかといいたいところです。
安いはずが高くなる
もともと工人舎PCのコンセプトとしては、安い価格帯でそれなりの品質のものを出すことがあったように思えるのですが、どうもベースの価格が高くなっていっています。
SH6のころはかろうじて10万円以下の希望小売価格を守れていましたが、SH8でそれを超え、SR8でついに14万円ギリギリというラインに到達しました。
PanasonicのLet's Noteの型落ち機種の新品がかなり「見える」ところの価格になってきているわけで、果たしてどのへんでビジネスをしようとしているのかよく分からなくなってきています。
持ち運びを考えないのなら、同価格帯の各社のエントリモデルのノートPCで十分すぎるスペックがあるわけですから。
重量が重くなっている点
これまでSH6/8シリーズは標準バッテリ搭載でかろうじて1.0kg未満という状態になっており、それがまたウリでありましたが、今回はそのラインをかるく逸脱して1.1kgというところまで着ました。
しかも、スペック維持をして重量オーバーしているのならいいのですが、内蔵HDDのスペックが大幅にダウンしています。
これまでの同一ラインナップでいうと2.5インチの100GBドライブを搭載していた(パフォーマンスを確保するための工夫であった)ところ、重量や筐体内の容積問題から1.8インチの60GBドライブに縮小されています。
これによりデータ容量だけでなく、アクセス速度などにも影響が出てくることは間違いありません。
(副作用でバッテリの稼働時間が0.5時間延びています)
各種インタフェイスの場所変更
今回の最大の改悪といえるのが、この場所変更ではないかと考えています。
具体的には右側面にあった3in1メディアカードスロット・CFドライブ・USBポート×1の部分にDVDドライブが来たことにより、3in1メディアカードスロット・CFドライブがなんと前面!に移動し、またUSBポートが左側面に2つ配置されることになりました。
利用形態を考えてこのデザイン変更をしたのかどうか不思議なぐらいです。
右利きのUSBマウスの利用者がどれぐらい需要があるのかどうか分かりませんが、CFドライブを前面に持ってくるセンスが理解できません。
現在、デジタルカメラのストレージとしてCFを使っている層よりもデータ通信カードのためにCFを使っている可能性のほうが、特にこの端末の場合は多いのではないかと思います。
しかも、昨今の通信カードは外側にはみ出ている部分が大きくなる傾向があります。それをキーボードの右前面に張り出す形で配置したときのことを考えるとゾッとします。
ではどうするべきか
大体3ヶ月周期で新機種を出している工人舎ですから、4月か7月ごろまで待てばいいのが出ますよ。たぶん!